ボランティア活動推進国際協議会(IAVE)は、「世界ボランティア宣言」(The Universal Declaration on Volunteering)を2001年に発行しました。宣言全文を日本語訳したものを以下に掲載します。
参照ホームページ(英文):The Universal Declaration on Volunteering
世界ボランティア宣言はIAVEの政策提言の枠組みである。最初の発行は、1990年のパリで開催された世界ボランティア会議、そして2001年のアムステルダムでの国際会議で国連の国際ボランティア年の始まりとしてこの宣言が改訂、再発行された。
この宣言は、文化、民族的出自、宗教、年齢、性別、身体、社会あるいは経済的状況を問わず、全ての男女、子どもが自由にボランティア活動に関わり、参加できる権利を支持している。
(以下全文を確認あるいはPDFでのダウンロードも可能)
世界ボランティア宣言
ボランティアは基本的な市民社会の構成要素である。ボランティアは人類の最も崇高な願いである平和、自由、機会、安全、そして全ての人に正義の追求を実現する。
グローバリゼーションと継続的変化が続く時代、世界はより小さく、相互に依存しそしてより複雑化している。個人あるいはグループとしてのボランティア活動は、
- 人類がコミュニティに価値を置き、気遣い、奉仕することを継続させ、強めることができ、
- 個人が、人生を通じて学び・成長し、彼ら自身の最大の可能性に気付きながら、コミュニティの一員として権利と責任を行使することができ、
- 繋がりが人々を分け隔てている違いを乗り越え作られ、私たちは健康で持続可能な地域社会に共生し、共通の課題に革新的な解決策を提供し、共同体の運命を形作るために協働できる方法である。
新千年紀の幕開けにおいて、ボランティアはすべての社会の不可欠な要素である。国連の宣言は、「私たち、全ての人々」が世界を変える力を持っているという実用的で効果的な行動となる。
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この宣言は、文化的および民族的出自、宗教、年齢、性別、身体的、社会的または経済的条件にかかわらず、自由に、そしてボランティアに関連付けるすべての女性、男性および子どもの権利を支持する。世界のすべての人々は、経済的な見返りを期待することなく、個人的、集団的行動を通じて、時間と才能とエネルギーを他人や地域社会に自由に提供する権利を有するべきである。
私たちはボランティアの発展を追求し、
- コミュニティ全体の関与を引き出し、問題の特定と解決に取り組み、
- 若者が生活の中で継続的な役割を果たすことによってリーダーシップを奨励し、可能とし、
- 自ら声を上げられない人のために声を上げ、
- 人々をボランティアに参加させることを可能にし、
- 補完するが、他のセクターや賃金労働者の労力による責任ある活動を代替させず、
- 人々が新しい知識やスキルを身につけ、自分の潜在的能力、自立性、創造力を十分に発揮できるようにし、
- 家族、地域社会、国家、世界的な団結を促進する。
私たちは、ボランティアとボランティアが関わる団体やコミュニティが共通の責任を有し、
- ボランティアが合意した結果を達成するのに役立つ有意義な作業を行える環境を作り出し、
- 団体とボランティアがコミットメントを終了する条件を含め、ボランティアとして参加の基準を定義、ボランティア活動のガイドラインを作成し、
- ボランティアと受益者のリスクに対する適切な保護を提供し、
- ボランティアに適切な訓練、定期的な評価、認定を提供し、
- 身体的、経済的、社会的、文化的障壁を取り除くことによって、すべての人のアクセスが確実となることを確信する。
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国連人権宣言に示された基本的人権、ボランティアの原則、およびボランティアと関与する組織の責任を考慮して、全ボランティアが、彼らの創造力と仲介力としてのボランティア活動への信念を宣言し、
- すべての人々の尊厳を尊重する健全で持続可能なコミュニティを構築し、
- 人間としての権利を行使して生活を向上させるため人々をエンパワーし、
- 社会・文化・経済・環境問題の解決を助け、
世界的な協力関係を通じて、より人間的で、公正な社会を作り上げることを求める。
各リーダー、
- 全てのセクターは、ボランティア活動のための主だった指導的組織として、強固で、可視的、効果的な地元あるいは全国規模のボランティアセンターを共に創設し、
- 政府は、全ての人々のボランティア活動に対する権利を確実なものとし、活動参加の妨げとなるいかなる法的な壁も撤廃し、職場でボランティアを参加させ、NGOがボランティアを効果的に動員、管理できるよう、推奨しサポートできる資源を提供し、
- ビジネスは、従業員によるコミュニティでのボランティア活動を推奨、促進し、ボランティアへのサポートに必要な組織構造を整えるための人材や経済的資源の提供に責任をもち、
- メディアはボランティアの話を取り上げ、人々がボランティア活動することを推奨し、その助けとなる情報を提供し、
- 教育機関は、全ての年代の人がボランティア活動をすることを推奨し、助け、ボランティア活動からのふり返りと学びの機会をつくり、
- 宗教は、ボランティア活動を全ての人に仕えるための精神的な呼びかけへの適切な応答として肯定し、
- NGOは、ボランティアにやさしい組織環境を作り、効果的にボランティアに従事するために必要な人的資源と資金を投入すること。
国際連合、
- 自由な社会の制度を強化する必要性を認識して、これを「ボランティアと市民社会の10年」と宣言、
- 赤いVをボランティアの世界的シンボルとして認識すること。
IAVEはボランティアと世界各地の全てのセクターの指導者が、効果的で人々と国家間の連帯の象徴として、すべての人がアクセス可能なボランティア活動を促進、支援するため一致団結できるよう取り組んでいる。IAVEは、世界のボランティア団体のコミュニティに、ボランティアに関するこの世界宣言を研究し、議論し、支持するように推奨している。
IAVEの国際理事会 -ボランティア活動推進国際協議会(IAVE) 第16回、オランダ、アムステルダム国際ボランティア会議、2001年1月国際ボランティア年にて採択。
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